アルコールの分解時間と消失速度について。お酒に強い人と弱い人の違いとは?
アルコールを摂取した時に、そのアルコールが体内から消えるのにどのくらい時間がかかると思いますか?
それは、体の大きさや肝臓の大きさ、また男女・年齢によってアルコールの消失スピードが異なり、お酒に強い人・お酒に弱い人ということにも関わってきます。
お酒についての正しい知識から、飲みすぎて二日酔いにならない方法をご紹介します。
・アルコールの分解時間
・アルコール分解速度の要因
・アルコールに強い・弱いとは?
について書いています。
アルコールの分解時間・アルコールが消えるまでにかかる時間
アルコールを飲んだ時に、そのアルコールが消失されるまでの時間がどのくらいかかるのか?が気になるところですね。
飲酒後血中濃度のピークは30分~2時間後に現れ、その後濃度はほぼ直線的に下がります。
血中のアルコール消失(分解)速度は個人差が非常に大きいことが知られていますが、アルコール研究者の実験結果によると、消失速度の平均値は男性でおよそ1時間に9g、女性で6.5g程度です。
ビール中ビン1本(20g)が、分解されるのにおよそ男性では2.2時間、女性では3時間程度かかります。
(注)ビール中ビンの容量は500㎖、ビールのアルコール度数は平均5%。
これはあくまでも平均値ですから、目安と考えてください。
ですので、何杯もアルコールを摂取する人はアルコールの分解には長い時間がかかりますし、その量によっては次の日までアルコールが分解されずに体内に残っているということです。
お酒を飲み過ぎると、眠っていてもアルコールが体内から消えることは無く、次の日には二日酔い状態になってしまうのです。
アルコールを飲むときには、その量とアルコール度数を考慮したいですね。
アルコール分解速度(消失速度)に影響する要因
アルコールの分解速度に影響する要因として、まず挙げなければならないのは肝臓の大きさです。
大きい方がアルコールの分解は速くなり、体の大きい人は小さい人より速く、また一般的に男性は女性より速いのはこのためです。
また、年齢も影響があり、消失速度は中年に比べて年少者や高齢者で遅いことが知られています。
新入社員の歓迎会や大学生での飲み会で、アルコール摂取後に病院搬送される方が多いのも、年齢の影響もあるようですね。

20歳からアルコールを飲むことが出来いるとはいえ、一気飲みなどの強制は避けましょう。
お酒に強い人と弱い人の定義とは?
一般に酒に強い人はアルコールの分解の速い人で、弱い人は分解の遅い人と考えられています。
また、すぐに顔や皮膚が赤くなるようなフラッシング反応のない人は強い人で、反応のある人は弱い人とも考えられています。
どちらも正しいのですが、もう一つ重要な点があるようです。
フラッシング反応を示さない人でも、すぐに酔ってしまう人とかなり飲んでもビクともしない人がいますが、これは脳のアルコールに対する感受性の違いによるものです。
また、飲酒を続けると酒に強くなります。これはアルコールの分解速度が速くなることにもよりますがその影響は相対的に小さく、多くは脳の神経細胞が機能変化を起こし、感受性が下がることで説明されています。
先ほどご説明しましたように、年齢層では中年が一番アルコールの消化速度が速いのも、飲酒を続けることによって、お酒に強くなったせいもあるのかもしれませんね。
また感受性は遺伝的な影響も大きく、飲み始めから酒に強い人もいます。このような人はアルコール依存症のリスクが高いといわれていますので、気を付けましょう。

私にはいくらお酒を飲んでも顔色が真白の友人がいましたが、『顔色に出ないから沢山飲まされて大変だ!顔色に出る人がうらやましい』と言っていたことがありました。
顔色に出る出ないに関わらず、アルコールは人が飲ませるものではなく、お酒を飲む本人のペースで飲むことが大事ですね。
アルコールの分解時間や消息速度のまとめ
ここでは、アルコールの分解時間についてご説明しました。
アルコールの消失速度の平均値は男性でおよそ1時間に9g、女性で6.5g程度です。ビール中ビンですと、平均で男性で2.2時間、女性で3時間ほどかかります。
皆さんは、普段は何杯くらいアルコールを飲みますか?夏の暑いときだとビールの本数も増えてしまうのではないでしょうか?
もし一晩にビール中ビンを3本飲んだとすると、アルコールの消失速度が男性で7時間弱、女性で9時間ほどかかります。
量が増えれば増えるほど、アルコールの分解に時間がかかります。もちろん、度数の高いアルコールにも気を付けてくださいね。
アルコールの消失速度をしっかり理解したうえで、賢くお酒を飲みましょう!
また、アルコールが飲みたいという気持ちが頻繁にある場合には、アルコール依存症も考えられます。アルコール依存症になっていくプロセスを知り、アルコール依存症にならない様に気を付けましょう。
>>アルコール依存症の症状と、アルコール依存症になっていくプロセスとは
出典:厚生労働省eヘルスネット