日本の食料自給率とは?国内で生産している食物の量はどのくらいあるのか
日本の食料自給率は低いと聞いたことがあるかもしれませんが、実際の数字はご存じですか?
農林水産省によると、令和元年度において、日本の食料自給率は38%だったそうです。
ここでは、食品別の食料自給率や、今後の日本が掲げている食料自給率の目標などをご紹介をします。
・食料自給率の計算方法
・日本の食料自給率は何%?
について書いています。
食料自給率とは? 農林水産省による食料自給率の計算方法
食料自給率は、農林水産省によって計算されているもので、まず、食料自給率とは何か、そしてその計算方法についてご説明します。
食料自給率とは、国の食料供給に対する国内生産の割合を示す指標です。
その示し方については、単純に重量で計算することができる品目別自給率と、総合食料自給率の2種類があります。
このうち、総合食料自給率は、熱量で換算するカロリーベースと金額で換算する生産額ベースがあります。
品目別自給率
品目別自給率は、各品目における自給率を重量ベースで算出しているものです。
品目別自給率では、食用以外の飼料や種子等に仕向けられた重量を含んでいます。例えば、トウモロコシなどは牛などの餌に大量に使われていますね。
品目別自給率=国内生産量/国内消費仕向量
(国内消費仕向量=国内生産量+輸入量-輸出量-在庫の増加量(又は+在庫の減少量))
例えば、小麦の品目別自給率(令和元年度)
=小麦の国内生産量(103.7万トン)/小麦の国内消費仕向量(632.3万トン)=16% となります。
総合食料自給率
食料全体について単位を揃えて計算した自給率として、供給熱量(カロリー)ベース、生産額ベースの2とおりの総合食料自給率を算出しています。
畜産物については、輸入した飼料を使って国内で生産した分は、総合食料自給率における国産には算入していません。
カロリーベース総合食料自給率
カロリーベース総合食料自給率は、基礎的な栄養価であるエネルギー(カロリー)に着目して、国民に供給される熱量(総供給熱量)に対する国内生産の割合を示す指標です。
=1人1日当たり国産供給熱量(918kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,426kcal)
=38%
分子及び分母の供給熱量は、「日本食品標準成分表2015」に基づき、各品目の重量を熱量(カロリー)に換算したうえで、それらを足し上げて算出しています。
生産額ベース総合食料自給率
生産額ベース総合食料自給率は、経済的価値に着目して、国民に供給される食料の生産額(食料の国内消費仕向額)に対する国内生産の割合を示す指標です。
=食料の国内生産額(10.3兆円)/食料の国内消費仕向額(15.8兆円)
=66%
分子及び分母の金額は、「生産農業所得統計」の農家庭先価格等に基づき、各品目の重量を金額に換算したうえで、それらを足し上げて算出しています。
日本の食料自給率は何%?
日本の食料自給率
令和元年度において、日本の食料自給率は38%です。
カロリーベースの食料自給率については、サンマ・サバ等の魚介類が不漁となり、米消費が減少した一方で、小麦の単収が増加したこと等により、対前年度から1ポイント上昇の38%となりました。
なお、飼料自給率については25%、カロリーベースの食料国産率(飼料自給率を反映しない)は47%となりました。
飼料自給率とは、畜産物に仕向けられる飼料が、国内でどの程度賄われているかを示す指標です。
ですので、国内で飼育されている豚や牛などの食料は、国産での自給率は25%でしかなく、75%は輸入の餌に頼っているという事です。
また、食料国産率について、総合食料自給率が飼料自給率を反映しているのに対し、食料国産率では飼料自給率を反映せずに算出しています。
食品別の日本の食料自給率
この表からも見られるように、米、イモ類、野菜類、みかん、鶏卵、キノコ類の食料自給率は、かなり高い%です。
しかし、大豆の食料自給率は6%でしかありません。この国では、醤油も、味噌も、豆腐も、納豆も、毎日のように食べる方も多いと思いますが、その原料の94%は輸入で出来ている様です。
大豆だけでなく、豆類全般の食料自給率はかなり低いようですので、国産の小豆などが重宝されている理由が理解できますね。
また、油も料理に使う人は多いと思いますが、油脂類の食料自給率も13%とかなり低い水準になっています。
日本の食料自給率の目標
農林水産省では、令和12年までに日本の食料自給率を、カロリーベース総合食料自給率を45%、生産額ベース総合食料自給率を75%に高める目標を掲げています。
また、飼料自給率と食料国産率についても併せて目標を設定しており、飼料自給率と食料国産率の双方の向上を図りながら、食料自給率の向上を図っていきます。
諸外国の食料自給率
他の先進国と比べても、日本の食料自給率は非常に低いことが分かりますね。
日本の食料自給率の上昇のために、令和12年までに農業労働力の確保も目指しているようです。
農林水産省では、担い手の育成なども行っているようです。
日本の食料自給率は38%のまとめ
この記事では、日本の食料自給率の計算方法と、現在の食料自給率が38%であることをご紹介しました。
米、野菜、キノコ、鶏卵などは自給率が高いようですが、その他の食材の自給率は低く、ほとんどを輸入に頼っています。
もし物流が止まってしまうことがあれば、今の様に何でも好きなものがスーパーで買える世界ではなくなってしまうかもしれません。
農林水産省では、令和12年までに日本の食料自給率を45%まで回復させようとしていますが、そのためには、多くの人々が農業に携わることが大切ですね。
そのために、国内の産地直送の食材を買うなど、今も日本国内の生産者さんを応援することは出来ますね。輸入品ばかりを購入していては、日本の自給率の上昇はありませんし、日本の農業人口も増えることは無いですね。
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また、災害の後に国内生産者を救う方法は、輸入品を買わないことです。国内の食料自給率は38%なのですから、国内生産の食品を食べるなら、災害後にも国内の農家さんが食品が売れなくて苦労することは無いのです。
参考:農林水産省