一日一万歩を目安に、ただ歩くだけのウォーキングで血圧を下げる助けになる
お笑い芸人の池乃めだかさんは、ネクタイと身長が同じことで笑いを取る人気芸人です。吉本新喜劇などの舞台で活躍されている池乃さんですが、高血圧が原因で脳梗塞を経験したこともあるようです。
しかし、毎日一万歩以上歩くことを心掛け、食事の改善を行ったところ、高血圧の改善が見られたようです。
それではここで、池乃さんが何をきっかけに体調管理をはじめ、高血圧を克服してきたかのコラムをご紹介します。
三度の脳梗塞の引き金となった高い血圧は最大が一七七ミリ、最小が八三ミリ
「軽い脳梗塞の跡がありますね」といわれたんは、いまから二〇年前のこと。脳梗塞の跡が全部で三つ見つかったのですが、幸いにも、部位としては問題のない場所でした。しかし、将来、脳梗塞や心筋梗塞になる危険性があるといわれました。
そんなこといわれたら、僕も怖いですわ。そのとき以来、毎日ずっと血液をサラサラにする薬を飲んでいます。
ところが、いまから五年前、あるテレビ番組で人間ドッグを受ける企画があったんです。僕の診断結果を見て、医師が「えらいことになっとりますな」といいよる。僕の血管年齢は八十代なんやそうです。血圧も高くて、上が一七七ミリ(基準値は最大が一〇一~一三九ミリ、最小が六一~八九ミリ)。上と下の血圧の差が五〇より大きくなるほど、問題らしい。
食事に気を付け、運動するようにいわれました。ただ、いきなりすべてを改善できず、食べ物だけは気をつけることにしました。なるべく塩分を控えめにして、しょうゆの代わりにポン酢を使ったり、苦手だったヨーグルトも毎日食べるようにしました。それで血圧は落ちつき、人間ドッグでは、特に何もいわれませんでした。
その二年後、通院に便利な近所のクリニックに主治医を変えたんです。そうしたら、医師が「そろそろ血圧の薬を飲んだほうがええよ」とすすめてくれました。最大血圧が一七〇~一八〇ミリくらいと高値で推移していて、年齢的にも脳梗塞を起こしやすくなってるというんです。急に倒れて舞台に穴を開けても大変やから、血圧の薬も飲みはじめました。
高血圧の自覚症状は特になかったんですが、舞台に出て、大声を出した後、ふら~として思わず近くのテーブルに手をついてしまったことがあります。このままほうっといたら脳梗塞で倒れるんちゃうやろか・・・・そう思ったら、少しは気をつけなあかんな、と自制するようになりました。
減塩の食事に積極的な運動と十分な睡眠で重度の高血圧が改善
血圧の薬を飲みはじめた三年前から、生活習慣も少し変えるようにしました。もともと僕は運動が嫌いでゴルフくらいしかしていませんでしたが、プールで泳ぐようにしたんです。時間があれば週三~四回はプールに行って泳いでいます。ノルマは一キロ。二五メートル泳いでは立って少し休んでまた二五メートルというのを何回も繰り返しています。
また、忙しくても睡眠時間だけは確保しています。僕は昔から一日八時間寝ないと安心できないたちなんですよ。「今日は睡眠が足りてないな」と思うと、気持ちがあせってしまう。だから、できるだけ一日八時間の睡眠を心がけてるんですわ。
この四月からは、運動不足を解消するため、ウォーキングを始めました。ウォーキングといっても、わいそうなもんではありません。僕のは一日一万歩を目安に、ただ歩くだけです。例えば、嫁さんに車で劇場まで送ってもらってたのを、電車に乗っていったり、後輩とご飯を食べに行くんでも、わざわざ遠いご飯屋さんに電車を乗り継いで歩いて行ったり。そんだけのことでも、車やタクシーを使わなえれば、一日一万歩は割と軽いもんです。
そのかいあって、いまでは、血圧は上が一二三~一二五ミリ、下は六〇~六七ミリで安定してます。そうせやるんなら、嫌々するのはもったいない。ウォーキングでも何でも、長く続けるためには、負担にならずに、楽しみながらやらんとダメです。人生、楽しまなああきまへん!
出典:健康365(2011年11月号)
お笑い芸人:池乃めだか
身長149センチ「長さが(身長と)いっしょや!」のネクタイ芸は代表ギャグの一つ。
1943年、大阪府生まれ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。66年に芸能界入り。77年、吉本新喜劇に入団。97年、「上方お笑い大賞」の大賞受賞。猫マネギャグなどで人気者となり、吉本新喜劇の中心メンバーとして現在も活躍中。
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