有名人のコラム

エッセイスト・犬山紙子『辛いことをおもしろがろう』でレベルアップ!

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はたからみたら、「あの人、悩みなさそう」って言われるようになりたいものです。

辛いことがあった時、友人に愚痴ることもあるかもしれません。でも、愚痴った後に笑いに変えることができるなら、お互いの気分が明るくなるかもしれない。

嫌なことがあっときに、最後には笑えるオチを作ることで人生が変わるそうなのです。

ユーモアあふれる視点が人気の犬山紙子さんは、日々の生活で「笑い」をもっとも重視しているといいます。それではここで、犬山さんの笑いについてのコラムをご紹介します。

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辛いことを笑いに変えられることは、レベルアップした気持ちになれる!

昔、「内村とザワつく夜」というテレビ番組に出演していたのですが、この番組、よくあるモヤッとする、ザワつくことに対し、どう解決するかを芸人さんが考えて、ドラマで見せるという方式だったのですね。これがまあよくできていまして。

まずはみんなで「何、こんな人いたの。ムカつくね」「辛かったね」なんて共感して、解決策を見てスッキリして、そのうえ芸人さんたちのトークでみんなゲラゲラ笑って、いつの間にか元気になっているという。

一見、ただのテレビ番組の一連の流れに見えますが、これは私たちの生活の中でも本当に理にかなっている方法なんですよね。辛いことを人に共感してもらって、ちゃんと分析して、そのあと思いっきり笑う。私の場合、それを文章にしてお金に換えたりして、よりスッキリであります。

これをやらず、嫌だった気持ちにふたをしてしまうと、事あるごとに思い出しては辛くなって、ずっとうじうじして、自分で自分が面倒くさくなっちゃうんですよ。マザー・テレサばりに器が大きけりゃ、昇華しょうかなぞしなくても平気かもしれませんが、私たちはそこまで徳を積んでいませんからね。己の力量にあった乗り越え方が、それぞれあると思うのです。

失敗も笑い合えば、諦めがつく

ここで私の中で大事にしているポイントが、笑いの部分。笑いは絶対なんです。友だちに愚痴るときにいかに笑いに変えるか、最終的にゲラゲラ笑えるようにもっていけるか、ここであります。

これができないときは、愚痴ったとに後悔がついてまわっておりまして。「あいつ、いつも愚痴だなって思われたらどうしよう」とか、「悪口言ってるって思われただろうな、信用できないって思われちゃうな」とか。

だとすると、その愚痴がおもしろくなきゃいけない。共感して癒してもらうのは、「辛かった」「そうだね、辛かったね」だけでだいたい済むから、そのほかは笑っていられればいい。オチをつけてみたり、突っ込んでみたり。

たとえば、「会計をしている最中に桁を一つ間違えていることに気がつき、三万円の皿をそんなに仲良くない人への誕生日プレゼントに買ってしまった」という切なすぎる瞬間が過去にあったのですが、三万円の出費は洒落にならないわけでして・・・。

そんなときは友人と「三万円を皿にかける女だって店員にアピールしたかったの」「店員も、まさかこの皿が売れるとは思ってなかっただろうね」「そのプレゼントもらった子、どうにかして値段調べてくれないかな。これでその子に安い皿と思われ続けたら報われない」なんて言っては、これだけ笑えたから元は取れたかな、いいネタになったかと諦めたり。

私が卵巣嚢腫らんそうのうしゅにかかって、一割は惑星の可能性が有るという事実に怯えに怯えたときも、友人と「いけるいける、この体験記を本にしたらお金になるって」「卵巣嚢腫って漢字で書けないけど、本書いていいの?」「っていうか、どこが本出してくれるんだよ!」とかなんとか言い合って、気を楽にしていたっけ。

年齢を重ねて、笑いのレベルもアップ

極めつけに、夫の友人が末期ガンだとわかったとき、その友人は「DJ末期ガン」として活動し、イベントで自らガンをドンドン笑いに変えていっていたこともありました。不謹慎だからみんな笑えないし、気を遣うし、微妙な空気になるのを本人自ら打ち破って、仲間たちと笑い合っていたそうで。

ちなみに彼はツイッターで「ブロンズ像になります」と書いたことから、死後、仲間たちの手により本当にブロンズ像になり(目が光る)、わが家に飾られております。それを見るたびに、生前の彼を思い出して笑ってしまう。死して直人を笑かし続ける彼は、ちょっとかっこ良すぎます。

辛いことを笑い飛ばせると、「ふふふ、笑い飛ばしてやったぜ・・・・!」なんて、レベルアップしたような気持ちになって、自己評価が高くなるのもいい。

年齢を重ねれば重ねるほど辛いことなんて腐るほど出てきますが、その分こっちもレベルアップしているはずですからね。「どうだ、何がきても笑い飛ばしてやるからな!」なんて、人生ケラケラと、はたから見たら「あの人、悩みなさそう」って言われるようになりたいものです。

エッセイスト・犬山紙子

1981年、大阪府生まれ。2011年、美人なのになぜか恋愛がうまくいかない女たちの、悲惨で笑えるエピソードを描いたイラストエッセイ『負け美女』(マガジンハウス)で作家デビュー。雑誌、テレビ、ラジオなどで幅広く活躍中。

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